廃棄する文書の廃棄ルールを策定する際にチェックしたい4つのポイント
企業は、他社と取引をしたり、従業員を雇用したりするため、さまざまな文書を保有しています。例えば、外注のために取り交わした契約書、賃貸借契約書、雇用契約書、見積書、納品書、領収書など非常に多くの文書を挙げることができるでしょう。
企業は、これらの文書を保管しなければなりませんが、その中には廃棄して問題ない文書も存在するケースがあります。例えば、保存期間の満了を迎えた帳簿や領収書などです。
文書を保管するためには、スペースを確保する必要があったり、管理しやすくするために電子化保存をしたりします。しかし、このような文書の管理には費用がかかるため、あらかじめ廃棄ルールを策定し、従業員が不要な文書を捨てやすい環境を構築することが重要です。
今回は、文書の廃棄方法の種類や文書整理で企業が獲得できるメリット、廃棄ルールを策定する際のポイントについて解説しますので、興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
具体的な文書の廃棄方法には何があるの?
企業の文書廃棄方法は、大まかにわけて2つです。それぞれの種類について解説します。
シュレッダー
1つ目は、シュレッダーです。
シュレッダーを利用することで用紙が細断処理されるため、そのままゴミ箱に捨てるよりも外部に情報が漏れづらいです。また、文書が処理されたことを目視で確認することができるため、安心感を得られます。特に、少量の文書を廃棄する際におすすめの方法です。
一方、シュレッダーで大量の文書を廃棄する場合、クリップやとじ紐などを取り外さなければならないため、時間と手間がかかります。そのため、個人情報などに配慮して大量の文書を廃棄したいときは、後述する溶解処理での廃棄がおすすめです。
溶解処理
2つ目は、溶解処理です。
溶解処理は、パルパーという大型のミキサーの中に廃棄する文書を段ボールのまま入れて水と機械の撹拌力でバラバラの繊維になるまでほぐす廃棄方法を意味します。基本的に、業者に機密文書の廃棄をお願いする際は、溶解処理によって処分することが可能です。
溶解処理は段ボールに文書を詰めたまま処分ができるため、機密性を担保することができます。また、大量の文書を廃棄することができる点などがメリットです。
廃棄ルールを作成することで企業が獲得できるメリット
実際に、企業が文書の廃棄ルールを策定すれば、さまざまなメリットを獲得することができます。具体的にどのようなメリットがあるのか解説しますので、ぜひ参考にしてください。
文書整理につながる
1つ目のメリットは、文章整理につながるという点です。
当社調べでは、保有する文書の約3割は廃棄できる文書です。企業の中には、『必要になったときに使えるようにしておくために、文書は捨てずに保管しておいたほうが安心だ』と思われる方もいます。しかし、文書は増え続けますし、廃棄できる文書の保管や電子化保存にはコストがかかります。
廃棄ルールを策定すれば、従業員が文書を捨てやすい環境を構築することができます。それが文書整理となり、結果的にコスト削減につながる可能性があるので、廃棄ルールを策定しておくべき理由のひとつです。
廃棄によるトラブルが発生した際に原因を突き止めやすくなる
2つ目は、廃棄によるトラブルが発生したときに、原因を突き止めやすいことです。
例えば、文書の廃棄サイクルを記載することで、その文書をいつ誰が廃棄したのかが明記されます。これにより、万が一トラブルが発生したときに、原因追及がしやすくなるので、廃棄ルールを設定していないときよりもトラブルの解決が速くなるでしょう。
情報漏洩の防止
3つ目は、情報漏洩の防止につながるという点です。
文書の廃棄ルールを設定すれば、それぞれの文書に適した廃棄方法などが事前に決められているため、従業員は適切に文書を廃棄することができます。これにより、情報が外部に洩れるリスクが大幅に抑えられるため、企業は安全に情報を管理できるようになるでしょう。
廃棄する文書の廃棄ルールを策定する際に意識したいポイント
廃棄ルールを設定しておけば、情報漏洩などのリスクを抑えられるため、企業に大きなメリットがあります。しかし、闇雲に廃棄ルールを設定したとしても効果が薄くなる可能性があるでしょう。
そこで、廃棄ルールを策定する際に意識したいポイントをピックアップしましたので、上記で解説したメリットを廃棄ルール策定で獲得したいという方は、ぜひチェックしてみてください。
廃棄する文書の基準を設ける
1つ目は、廃棄する文書の基準を設けることです。
まずは、廃棄してもいい文書とそうでない文書をあらかじめルールの中で明記します。これにより、従業員は廃棄すべき文書を適切に選定することができるようになります。
例えば、廃棄してもいい文書としては、法律で定められた保管義務のない文書や保管期間満了を迎えた文書などが挙げられます。廃棄する文書の基準を明確にすることで、文書を捨てやすい環境を社内に構築できるためおすすめです。
廃棄記録を作成する
2つ目は、廃棄記録を作成することです。
文書を廃棄してその後にトラブルが発生した場合、その原因を追究しなければなりません。もし、文書の廃棄ルールの中に廃棄記録を作成することを設けていないとトラブルが起こったときに活用できる情報がありません。そのため、廃棄記録を作成することを明記し、トラブルが発生しても柔軟に対応できる体制を構築しておくことが重要です。
具体的な廃棄方法を明記する
3つ目は、具体的な廃棄方法を明記することです。
例えば、『シュレッダーにかけてゴミ箱に捨てる』、『廃棄したい文書を段ボールの中に入れて溶解処理のために外注業者に委託する』などが挙げられます。機密性をどのぐらい担保したいのか、廃棄する文書がどのぐらいあるのかによって企業が選択すべき廃棄方法は異なりますので、お好みのものを選択するようにしてください。
外部業者を利用する場合は廃棄証明書の提出を求める
4つ目は、外部業者を利用する場合、廃棄証明書の提出を求めるという点です。
外部業者に委託する際は溶解処理で文書の廃棄が行われます。溶解処理が完了すると機密抹消を証明するために、溶解処理実施証明書などを発行している業者も多いです。そのような証明書を発行してもらうことで、機密性が保証された状態で文書を廃棄することができます。
溶解処理実施証明書などを発行してもらいたい企業は、そのような証明書を取り扱っている業者に委託するようにします。証明書の取り扱いに関しては、ホームページ等で確認することができるので、利用したい方は、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。
まとめ
今回は、廃棄する文書の廃棄ルール策定のポイントについて詳しく解説しました。企業は機密性の高い文書を取り扱うことも多いです。しかし、不要な文書は保管コスト増大を避けるために、定期的に整理をして廃棄することが求められます。従業員などが文書を廃棄しやすい環境を構築するためにも廃棄ルールを策定して安全に文書を捨てられるようにしておくことが重要です。
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