文書整理が分からないときしっておきたい2:6:2の法則
企業にとって文書整理は非常に重要です。書庫に大量の文書があり、管理が行き届いていない企業では、業務効率や生産性が低下します。なぜなら、社員が必要な資料を探すために時間がかかるからです。また、適切に管理されてない文書は情報漏洩する危険性が高くなります。さらに、文書を管理するためには、スペースの確保などに費用がかかるため、コストが増大しやすいです。
このような課題を引き起こさないためにも企業は日頃から適切に文書管理を行い、業務効率化やコンプライアンスの強化などを図るのが一般的です。また、文書整理は一部の社員ではなく、企業全体で取り組むことが重要になります。そこで知っておきたいのが2:6:2の法則です。この法則は文書整理を企業全体で行う際にも活用できるので、把握しておきたい考え方のひとつになります。
今回は、2:6:2の法則の概要やその法則を考えて全体で文書整理に取り組む重要性について解説しますので、興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
2:6:2の法則とは?
2:6:2の法則とは、組織やある集団において生産性が高く意欲的に働く人が20%、普通に働く人が60%、パフォーマンスが悪い人が20%で構成されるという経験則のことです。この法則は働きアリの集団によくみられるとされています。例えば、働きアリの中で積極的に食料を集める割合が2割、普通に働くのが6割、怠け者のアリが2割です。つまり、集団の中で約8割が食料を集めているという計算となります。もちろん、この割合は働きアリの集団だけでなく、企業などの組織にも当てはまるといわれています。
また、2:6:2の法則が注目されているのは組織構成に変化が生じたとしてもその割合が維持される点です。例えば、パフォーマンスが低い2割を排除したとしても残りの8割の中から怠け者が2割生まれます。逆に、パフォーマンスが高い2割を排除した場合でも残りの8割の中から生産性が高く意欲的に働く人が2割生まれるのです。つまり、組織構成に変動を与えても2:6:2の法則の構造は生まれ続けるということになるでしょう。
3:4:3の法則との違い
3:4:3の法則とは、構成の中で上位3割は物事に対して意欲が高いグループ、中間の4割は上位・下位どちらでもないグループ、それ以外は下位3割のグループに分類されるという法則です。2:6:2の法則と分類する割合は変化しますが、基本的に同じ考え方を意味します。
両者の違いとしては、生産性を表しているのかそれとも意欲を表しているのかの違いです。2:6:2の法則は、ビジネスの能力や生産性を表しているケースが多くなります。一方、3:4:3の法則は、物事に対する関心など、やる気に焦点が当てられています。例えば、3:4:3の法則では、やる気のある社員が3割、どちらでもない社員が4割、やる気がない社員が2割というような使われ方をされるイメージです。
パレートの法則との違い
パレートの法則とは、イタリアの経済学者ビルフレッド・パレートによって提唱された理論で、組織を構成する上位20%が全体の80%を生み出すという傾向を表したものです。企業を例として挙げれば、その会社の売上全体は2割の社員に依存することを意味します。パレートの法則は、2:8の法則や80:20の法則といわれることも多いです。
パレートの法則はビルフレッド・パレートが経済統計から見出した法則です。個人の所得額とその所得額以上の所得を得ている人の数との関係から生まれた法則となります。
パレートの法則は、2:6:2の法則のベースとなった理論です。2:6:2の法則はパレートの法則に比べてさらに組織構成を細分化している点が大きな違いとなるでしょう。
一般的な各グループへのアプローチ方法
このように、2:6:2の法則によると組織は生産性が高い2割のグループ、上位・下位どちらでもない6割のグループ、生産性が低い残り2割のグループに分類されます。それぞれのグループによって仕事へ取り組む姿勢やモチベーションが変化するため、各グループに合わせたアプローチをすることが重要です。
そこで、この見出しでは一般的な各グループへの適切なアプローチ方法について解説します。このアプローチ方法は、仕事に限らず文書整理にも当てはめて考えることができるので、ぜひ参考にしてください。
上位2割へのアプローチ方法
組織の上位2割は非常に優秀な人材で生産性が高く、自ら行動して業績を上げたり、組織改革に取り組んだりする人たちです。また、目標が高く設定されている場合でも積極的に取り組んでくれます。そのため、上位2割には、乗り越えるハードルが高い課題を与えてアプローチするのが適切です。
ちなみに、2:6:2の法則の上位2割は元々業績が良く、モチベーションも高いので企業全体の売上を上げたいという場合に上位2割だけをアプローチしていても改善されないことが多いです。そのため、企業全体として成果をもっと高めたいという場合は、2:6:2の法則の上位2割の層ではなく、中間6割や2割のグループに対してアプローチする必要があるでしょう。
中間6割へのアプローチ方法
2:6:2の法則の中間6割は、課題意識を把握しているのにもかかわらず積極的に行動しない人や行動の仕方がわからない方が中心となっているグループです。そのため、取り組むべき目標や適切な指針を与えることで行動喚起を促すことができます。
中間6割を適切にアプローチすることができれば、組織全体のレベルアップにつながります。そのため、中間6割に対してどのようにアプローチするのかによって組織全体を引き上げられるかどうかが変わってくるでしょう。
下位2割へのアプローチ方法
2:6:2の法則の下位2割は、生産性やモチベーションが低いグループです。組織に対して良い影響を与えることはありません。しかし、排除すると残りの8割から再び下位2割が生まれることになるため、根本的に解決することは難しいです。
下位2割に対しては比較的簡単な目標を与えて取り組ませるアプローチが最適です。ハードルの低い目標であってもそれを超えることで行動喚起を引き起こしやすくなります。
会社の文書整理も2:6:2の法則を考えて全体で取り組むことが重要
2:6:2の法則によると組織は上位2割、中間6割、下位2割に分類されることがわかります。企業が抱える課題への取り組みや営業利益の向上に2:6:2の法則を活用する人も多いですが、文書整理においても2:6:2の法則を考えて組織全体で取り組むことが重要です。
企業が管理している文書は、2:6:2の法則のグループに関係なく使用します。また、組織の中で適切に文書整理をしていない人がいる場合、それが原因で情報が流出してしまったり、文書が増えて管理コストが高くなったりする可能性もあるでしょう。一部の人が文書整理をしないことで組織全体の業務効率が低下し、コンプライアンス強化が図られなくなります。そのため、チーム単位での文書整理を行うのではなく、部もしくは会社全体で取り組むことが重要です。
まとめ
今回は、2:6:2の法則の概要や各グループに対する適切なアプローチ方法などについて解説しました。2:6:2の法則は、企業の文書整理に対する取り組みにも同じことがいえます。社内の一部ではなく、部もしくは組織全体で文書整理に取り組み、コンプライアンス強化や業務効率化を図るようにしましょう。
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